クレーム対応は職員のケアも重要

介護職のクレーム対応は、一般的なクレーム対応と基本は同じです。事実確認をし、クレームが起きた原因を調べ、再発防止に務めます。利用者やその家族の気持ちに寄り添い、不安を取りのぞきます。一方で、クレームの原因となった職員のケアも非常に重要です。介護職のクレームは、ほとんどが現場の職員に対してのクレームになります。身体介護の際の力が強すぎた、言葉使いや態度が悪かったなど、職員の何らかの言動が利用者や家族に不快感を与えているのです。しかし、これは一方的に職員が悪いとは言い切れない場合もあります。もちろん、今後のために指導は必要になってきますが、再発防止のためにはただ指導すれば良いというわけではなく、職員のメンタルケアや職場の環境改善が必要になる場合があります。

たとえば、人員不足などで極端なハードワークになっている場合に、丁寧な仕事ができないケースがあります。本人もそのことに葛藤を感じ、精神的に追い詰められていることが考えられるのです。この場合、職員の負担を減らすための改善策が必要です。また、人間同士なので利用者や家族と職員の相性が悪い場合もあります。これは利用者、職員の双方にとって大きな精神的負担となるため、配置換えも視野に入れる必要があるでしょう。それ以外でも、介護の仕事は精神的・肉体的にストレスが大きいです。ストレスが積み重なり、冷静さが失われて本人も気付かずにクレームの原因になるような言動を取っている場合があります。メンタルケアを行うことも、クレーム再発防止に重要なのです。