介護職の現場に多いクレームとは

介護職の現場で職員を悩ませているものの1つに、利用者からのクレームがあります。お金を出して商品を購入する時のように品質が定まっているわけでなく、利用者の状況などに合わせてサービスの内容も変わってくることから、他の施設や職員、テレビや雑誌で紹介されているような事例を引き合いに出してサービス不足を理由にしたクレームが多くなる傾向があります。訪問介護などの場合は、利用者と職員が密室で一対一になるような状況が生まれやすく、その時のやり取りを見ている人がいないため、クレームが出ても反論することができにくいと言う側面もあり、それがより対応を難しくしています。

定められたサービスを提供していてもクレームが来てしまえば施設に迷惑がかかることから、掃除や家事の手伝いなどの過剰なサービスを余儀なくされるような介護職員も多いのが現状です。そこまでしても見に覚えのないクレームを受けたりすることもあるので、介護職員の人たちはクレームに過敏になっていると言えます。クレームが原因で精神的に追い込まれ、勤務する施設を変えたり、介護職を離れざるを得なくなるような人も一定数います。施設や介護業界全体が、そこで働く人たちの権利や立場を守れるような体制作りが必要なのは言うまでもありませんが、一方で利用者やその家族に対しても可能なサービスや受け入れられないサービスを明確にした事前の説明を行ったり、介護職員の権利についても理解してもらう必要があります。